Microsoft Speech Platform のライセンス
2011年11月20日(日)20時07分
二次使用とか配布条件とか
Microsoft Speech Platform(以下 MSSP)は Microsoft 社のサイトから無償でダウンロード可能ですが、「タダで配っているものだから誰がどう使おうと自由!」というわけではもちろんありません。
というわけで、今回は MSSP のライセンスについて書いてみたいと思います。
といっても、「自分の PC にインストールして、TEXT ファイルや何かを読み上げさせ、自分で聞いている」というような、いわゆる「普通」の使い方をしている分には、ほとんど気にする必要のない話ですが。
また、結局のところ最後に述べるような理由もあり、基本的には今回の記事は、あまり役に立たないというか意味がない内容ではあります。
二次使用
二次使用(あるいは二次利用)、つまり MSSP で生成した音声をブログ等で公開したり、あるいは YouTube やニコニコ動画等にアップロードする動画のナレーションとして使用したり、といったことが許可されているのか?という点ですが、これはわかりませんでした。
「Microsoft Speech Platform の日本語音声合成エンジン」を書いたころ、このあたりはどうなっているのかとライセンス文を読んでみたものの、自身の英語能力の問題もあってよく分からず、Microsoft 社にメールで尋ねてみたのですが、「ライセンス読んで自分で判断してください」というような内容を、若干オブラートに包んだ感じの返答が頂けただけたのみでした。
もっともこれは、質問に際して特に「何をしたい」という明確な目的がなかったので、内容もただ漠然と「WEB での公開等は許可されますか?」といったあいまいで広範囲な行為を規定して伺ったため、Microsoft 社側としても具体的に踏み込んだ回答のしようがなかった、ということがあるかもしれません。
ランタイムの再頒布
MSSP のランタイム、つまり「SpeechPlatformRuntime.msi」の再頒布(再配布)に関してですが、これは「再頒布可能」です。
このことは MSSP の SDK に含まれる文書に明記してあり、MSSP を利用するアプリケーションを開発した場合、そのアプリケーションに「SpeechPlatformRuntime.msi」を同梱添付して一緒に配布することができます。
ただ、同梱という形ではなく、例えば「SpeechPlatformRuntime.msi」単体を自身の WEB サイトにおいて、「ご自由にダウンロードしてください」というような形態での再頒布は、してよいとは書かれていませんのでダメだと思います。
言語パックの再頒布
言語パック各種、つまり「MSSpeech_TTS_ja-JP_Haruka.msi」等の再頒布に関してですが、これは「再頒布不可」です。
ライセンスには「MSSP のランタイムや SDK のライセンスに準ずる」的なことが書いてあり、ランタイムは(直接ではないですが)SDK 内での許可という形で再頒布可能ですので、「あるいは」と一縷の望みを持ったのですが、Microsoft 社にメールでお伺いしたところ、「再頒布可能と記載されてないのでダメ」とのことでした。
正直言って、MSSP はランタイムだけあってもほとんど意味はないため、できれば言語パックとセットで同梱したいところですが、まあ仕方ありません。
結局のところ
最初に「役に立たない内容」と書いたのは、一つにはおそらく多くの人が求めているであろうと思われる二次利用についての情報が、何の回答にもなっていないということがあります。
それともう一つ、例えばこの記事を信じた結果、「Microsoft 社から訴訟を起こされた」というような事態になったとして、「ここにこう書いてあったから自分は正しい」という主張は間違いなく通用しないと思われますし、また、「この記事のせいだから責任をとれ」といわれても、こちらとしても責任を負いかねます。
つまり結局のところ、「最後はご自身の判断と責任でお願いします」といわざるを得ないわけで、まあ「こういうふうに解釈した人もいる」という参考程度にしていただければ、と思います。
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